それでも
一緒であることを
選んだ
それは
誰に言われた
訳でもない
私が
決めたこと
このパンを
選んだように
あの人も
選んだのだ
それでも
一緒であることを
選んだ
それは
誰に言われた
訳でもない
私が
決めたこと
このパンを
選んだように
あの人も
選んだのだ
おそろいだから
いいのかな
おそろいだから
悪いのかな
どっちが
いいんだろう
きっと
どっちでも
いいんだろうな
どうしてだろう
ただ
並んでいる
椅子を
見ている
だけなのに
涙が
出そうになった
視線をそらす
そんなの
気づいていない
訳がない
だから
気づいていない
ふりをするのが
大変なのだ
もう
癖のように
なってしまった
こんなのが
立ってたら
寄るしかないよ
寄ってくよね
そんな眼差しで
見つめられたら
逃げられないよ
愛した記憶よりも
味わった記憶の方が
より優勢である
あのとき
食べたランチが
忘れられない
って言ったら
あなたは
怒るだろうか
うっすらと
記憶が蘇る
それは
あなたの記憶
ではなく
舌の記憶として
ありありと
蘇るのだ