止まること
そこに止まること
選べないからではない
止まることを
選んでしまったのだ
君はここにはいない
君はここにいないのだ
美しいときは
ここではないところ
心の中にだけ
悲しくも存在するのだ
止まること
そこに止まること
選べないからではない
止まることを
選んでしまったのだ
君はここにはいない
君はここにいないのだ
美しいときは
ここではないところ
心の中にだけ
悲しくも存在するのだ
出逢うことが
叶わなくとも
訪れることには
意味がある
そう思っていた
けれども
現実は残酷だ
真実はひとつではない
過去は過去である
ただそのことを
痛感させられたのだ
鮮やかであるほど
朱色というものは
目に焼きついてしまう
それはあのときの
記憶と直結するのだろうか
過去と未来を結ぶもの
それがあるのなら
どんなことをしてでも
手にするであろう
禁忌も 大罪も
些末なことでしかない
ここにいるだけで
何かが変わる
今の自分ではない
過去の自分に
なれるような気がする
古都であることの
意味というものを
うっすらと感じつつ
何かを思い出そうとする
それは愛なのか
それとも苦なのか
そこは
遥か彼方の記憶
手繰り寄せてみるか
触れずに
そっとしておくか
手繰り寄せることは
恐怖であり
甘美である
だから
結論は決まっている
吐きだしてしまえば
いいのかもしれない
あてどもない想いも
終わりが見えない恋も
捕らえられて
縛られてしまった
その想いと恋は
受け入れるしかない
認めてあげるしかない
そうやって
折り合いをつけて
受け入れることで
はじめて恋は形を
変えるのかもしれない
吐息とも
ため息とも
いえないもの
吐きだしたもの
飛ばしたもの
無くしたもの
返ってくることも
帰ってくることも
ないかもしれない
それでも
信じようとしてしまう
保証もないのに
待ち続けてしまう